共有名義の土地を売却する方法は?分筆方法や分筆できない土地も解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

共有名義の土地を売却する方法は?分筆方法や分筆できない土地も解説!

通常の不動産とは異なり、共有名義の土地を売却するのは難しい傾向にあります。
共有名義の土地を分筆すれば、単独名義にして簡単に売却できるようになりますが、方法がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、共有名義の土地を売却する方法に加え、共有名義の土地を分筆する方法、分筆できない土地の特徴について解説します。

共有名義の土地を売却する方法

共有名義の土地を売却する方法

共有名義の土地には複数の所有者が存在しており、共有者の判断でできることとできない行為が定められています。
したがって、共有名義の土地を売却したいと考えても、そう簡単にことは運ばない点を押さえておきましょう。
ここでは、共有名義の土地を売却する方法について解説します。

共有名義の土地を売却するには共有者全員の同意が必要

前提として、共有名義の土地は共有者全員の同意がないと売却できません。
共有名義の土地の売却は民法上の「変更(処分)行為」に該当し、共有者全員の同意が必要と定められているためです。
共有者のうちのひとりでも処分に反対する方がいたら、共有名義の土地は売却できません。
したがって、共有名義の土地を売却したいのなら、まずは共有者全員の意向を確認することが大切です。
もし共有者全員が売却したいと考えていたら、通常の不動産同様に不動産会社に売却の仲介を依頼します。
無事に売却できたら、売却金額は各共有者の共有持分の割合に応じて分配します。

自分の持分のみを売却する

もし、ほかの共有者から共有名義の土地を売却する同意を得られなかったら、自分の共有持分のみを売却することを検討できます。
共有持分は、各共有者が共有名義の土地に対して所有している権利であり、売却するときにほかの共有者の同意を得る必要がありません。
しかし、共有持分を売却したいと考えても、現実的には買主を見つけることは困難です。
なぜなら、買主の立場からすれば、共有持分のみを購入しても不動産全体を自由に活用できるようにはならないからです。
ただし、共有持分の買取を専門としている不動産会社なら、買い取ってもらえる可能性があります。
共有持分の買取価格は相場の50~70%ほどになるといわれていますが、できる限り早く共有状態から離脱したいときには検討の余地がある方法です。

ほかの共有者へ共有持分を売却する

共有持分の売却は自由にできるので、ほかの共有者へ買い取ってほしいと持ち掛けられます。
たとえば、兄と弟の2人で土地を共有しているとき、兄が弟の共有持分を買い取れば単独名義にできるので、不動産活用の幅が広がります。
共有持分を買い取る側もメリットが大きいため、比較的話に応じてもらいやすいでしょう。
ただし、共有持分を買い取る側に相応の資金力がなければ売買は成立しません。
また、親族だからといって相場よりも極端に安い金額で共有持分の取引をおこなうと、贈与と見なされて購入した側に贈与税が課される恐れがある点に注意が必要です。

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共有名義の土地を分筆して売却する方法

共有名義の土地を分筆して売却する方法

共有名義の土地を分筆し、共有者それぞれの単独名義にしてから売却する方法があります。
ここでは、共有名義の土地を分筆する方法について解説します。

土地の分筆とは何か?

分筆とは、登記簿上のひとつの土地を複数に分けて登記し直すことです。
共有名義の土地を分筆してそれぞれの共有者の単独名義にしたら、売却や建物の新築などを自由におこなえるようになります。
共有名義の土地を分筆すると、共有者間の活用トラブルを回避できるようになる点がメリットです。

分筆手続きの流れ

共有名義の土地を分筆するときには、土地家屋調査士に依頼しておこなってもらうケースが一般的です。
土地家屋調査士に依頼すると、公図や地積測量図など分筆に必要な資料の収集も任せられるので、手間を大幅に省ける点がメリットです。
もし隣地との境界が不明瞭であれば、隣地所有者の立ち会いのもとで境界を確定させる必要があります。
その後、土地の分け方について当事者間で話し合ったら、土地家屋調査士に分筆案を作成してもらい、土地上に境界標を設置します。
そして最後に、土地家屋調査士が法務局で分筆登記をおこなう流れです。

共有名義の土地を分筆するときの注意点①コストがかかる

共有名義の土地を分筆するときには土地家屋調査士への報酬に加え、登録免許税や測量代、境界標設置費などのコストがかかります。
登録免許税は1筆につき1,000円、測量代は約10万円、境界標設置費は3万~10万円です。
しかし隣地との境界が確定していないケースでは、トータルで数十万以上の費用が必要となることもあるので注意しましょう。

共有名義の土地を分筆するときの注意点②区分所有権は分筆できない

土地とは異なり、家屋やマンションの区分所有権は分筆ができません。
したがって土地上に建物が建っているときには、建物が含まれる土地とそれ以外の土地に分筆するなどの対策が不可欠です。
しかし、分筆に伴って土地が自治体の定める最低敷地面積以下になってしまったら、そこには建物を建てられなくなる可能性が高くなります。
そのような土地を売却したいと考えてもまず買主が見つかることはないので、建物が建っているときには土地の分け方に注意する必要があります。

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分筆できない土地の特徴

分筆できない土地の特徴

ここまで土地を分筆する方法をご紹介してきましたが、土地のなかには分筆できないものが存在する点に注意が必要です。
分筆できない土地の特徴と対処法について、詳しく見ていきましょう。

分筆できない土地の特徴と対処法①周辺地が筆界未定

筆界とは不動産登記法上の境界であり、土地の範囲を区画するものとして登記された線です。
もし所有している土地の周辺が筆界未定地のときには、境界が確定できないので分筆できません。
このケースでは、まず費用を負担したうえで境界を確定させる必要があります。
もし隣地所有者が不明で境界の確定が難しいときには、筆界特定制度を利用すると良いでしょう。
筆界特定登記官に本来の土地の範囲を特定してもらうと、筆界を確定できて土地の分筆ができるようになります。
なお、筆界特定制度の利用にかかる手数料は土地の価格に応じて異なるので、事前に土地家屋調査士に聞くなどして確認しておきましょう。

分筆できない土地の特徴と対処法②分筆後に最低面積を下回る

不動産登記簿に記録される土地の面積の最小単位は「0.01㎡」です。
したがって0.01㎡未満に分筆しようと思っても、分筆登記はできません。
また、土地を分筆するときには自治体が定める最低敷地面積を意識することが大切です。
たとえば東京都渋谷区では、第一種低層住居専用地域に該当するエリアの最低敷地面積を120㎡と定めています。
最低敷地面積を下回る形で土地を分筆すると建物を建てられなくなり、建築できる土地と比較すると資産価値が下がる点に注意が必要です。
そのため共有名義の土地を分筆後に売却したいと考えているのなら、自治体の定める最低敷地面積をクリアすることを意識しましょう。

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まとめ

共有名義の土地は共有者全員の同意がなければ売却できませんが、自分の共有持分だけなら自由な活用が可能です。
また共有名義の土地を分筆して各共有者の単独名義にすると一般の土地と同様に売却できるようになりますが、コストがかかる点は覚悟しておきましょう。
ただし周辺が筆界未定地であったり、最低面積を下回ったりしているときには分筆ができないので要注意です。


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