相続後の不動産売却での注意点!名義・売却期限・媒介契約の選び方を解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

相続後の不動産売却での注意点!名義・売却期限・媒介契約の選び方を解説

相続した不動産を売却したい場合、一体何に気を付けるべきなのでしょうか。
あらかじめ不動産売却における注意点を踏まえておくだけでも、納得のいく結果が得やすくなるでしょう。
今回は、相続後の不動産売却における注意点として「名義」と「売却期限」そして「媒介契約」の3点を解説します。

相続後の不動産売却における「名義」に関する注意点

相続後の不動産売却における「名義」に関する注意点

相続に関連した不動産売却をおこなう場合、名義に関連した注意点は主に「名義変更」と「共有名義」の2点です。

相続後の不動産売却は名義変更手続きが必要

名義にまつわる注意点として、亡くなった方(被相続人)の名義では不動産を売却できない点が挙げられます。
被相続人の遺言がない場合、その方が生前に所有していた不動産の所有権は配偶者や子どもなど相続人に移転します。
しかし、相続人に移転されるのはあくまでも不動産を所有する権利だけであり、名義は引き続き被相続人のままです。
相続した不動産を売却するには名義人の変更手続きが必要なため、不動産売却の前に相続登記をおこないます。
相続登記とは、法務局にある登記簿データについて、相続した不動産の名義人を被相続人から相続人へと変更する手続きのことです。
不動産を相続するケースのほか、相続した不動産を担保に融資を希望する場合や第三者に貸し出す場合なども同様に相続登記が必要となります。
なお、相続登記手続きには固定資産評価証明書など複数の書類準備にくわえて、法務局に提出する書類も作成しなければなりません。
手間と時間を考えるなら、司法書士など専門家に依頼するのが良いでしょう。

共有名義では全員から同意を得ないと不動産売却ができない

相続した不動産の名義人が複数存在する場合は、売却する前に名義人全員から同意を得る必要があることが注意点です。
名義人が1人しかいない単独名義での所有であれば相続後の不動産売却も比較的容易ですが、共有名義で所有する不動産は売却したくてもすぐにはできません。
不動産売却をおこなうには、まずすべての名義人に売却したい旨を伝え、納得してもらえるよう説得しましょう。
売却に対してすべての名義人から同意が得られたら、次に売却価格への同意も得ておく必要があります。
価格に同意してもらう場合に大事なのが、すべての共有名義人で不動産の最低売却価格を決定する点です。
事前に「この価格を下回る金額であれば売却しない」と決めておけば、買主との価格交渉段階において値下げ要求をされても、決断を先送りにせずに済みます。
最低売却価格を決定する場合は不動産会社と相談のうえ、決めると良いでしょう。

相続後の不動産売却における「売却期限」に関する注意点

相続後の不動産売却における「売却期限」に関する注意点

相続した不動産の売却を検討する場合、売却期限を3年以内に定めることが注意点です。
3年以内に不動産売却を済ませれば「取得費加算の特例」と「空き家の特別控除」が適用されます。

取得費加算の特例とは

取得費加算の特例とは、納付した相続税を経費とし、土地の売却により得た利益にかかる譲渡所得税を安くするための特例制度です。
特例の適用には、売却期限を含めた以下の3つの要件を満たす必要があります。

●財産を取得した方法が相続または遺贈である
●財産を取得した方に対して相続税の納付義務が課されている
●対象の財産の譲渡を、相続開始日の翌日から、相続税を申告する期限の翌日から起算して3年が経過する日を迎えるまでに済ませている


取得費加算の特例が適用されない場合、土地の売却価格から購入時に支払った金額または売却価格の5%を差し引いて算出された売却益のうち、全額に譲渡所得税がかかります。
一方で、特例が適用されれば不動産売却にて納付した相続税が経費として認められるため、土地の売却価格から差し引ける金額が増加し、売却益が減額します。
売却益が少ないと譲渡所得税も減額されるため、節税効果からみても売却期限を3年以内とするのは重要な注意点なのです。

空き家の特別控除とは

空き家の特別控除とは、相続した一戸建てを対象に、一定要件を満たした場合に適用される特例控除です。
空き家の特例控除が適用された場合は、一戸建てを売却して得た譲渡所得から最高3,000万円まで控除されます。
特例控除の適用には、売却期限をはじめ複数の要件を満たさなければなりません。

●不動産売却を、相続の開始日から起算して3年が経過する日と同じ年の12月31日までに済ませている
●相続が開始される直前に被相続人の住まいとして使われており、なおかつ当時ほかに住んでいた方がいない
●昭和56(1981)年5月31日以前に建築された、マンションなど区分所有建築物以外の建物である
●相続から譲渡までの間、事業や貸し付け、住まいとしての使用実態がない
●解体せずに不動産売却をおこなう場合、現行の耐震基準をクリアしている


空き家の特例控除は売却期限以外にも多くの要件が設定されているため、適用を検討する場合はきちんと確認することが大切です。
なお、相続する不動産がマンションなどに該当するケースは特例控除の適用対象外となるところも注意点として覚えておきましょう。

相続後の不動産売却における「媒介契約」に関する注意点

相続後の不動産売却における「媒介契約」に関する注意点

相続した不動産を売却するには、売却活動を依頼する不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約とは、買主との仲介を依頼するにあたり不動産会社と結ぶ契約のことです。
媒介契約は「一般媒介契約」と「専任媒介契約」そして「専属専任媒介契約」の3種類あり、それぞれ特徴や注意点などが異なります。

一般媒介契約の特徴と注意点

一般媒介契約とは、媒介契約を結ぶ不動産会社の数に制限がなく、同時期に数社へ不動産売却を依頼できる契約方法です。
特定の不動産会社と媒介契約を結んだとしても、一般媒介契約であれば売主が自ら買主を探して売買契約を結べます。
一方、一般媒介契約は売主に対する売却活動の進捗報告が義務付けられていません。
そのため、ご自身で進捗状況を確認する必要があります。

専任媒介契約の特徴と注意点

専任媒介契約とは、売却活動を依頼できる不動産会社が1社に限られる契約方法です。
契約期間は最長3か月間で、売却活動を開始してから最低でも2週間に1回は活動の進捗状況を売主に報告する義務があります。
売却活動中の不動産情報が掲載されている「レインズ」への登録義務もあるため、買主が見つかる可能性も高めです。
専任媒介契約の注意点は契約先の数が限定される点ですが、自分で買主を探すことも認められており、スピーディーな売買契約も実現できるでしょう。

専属専任媒介契約の特徴と注意点

専属専任媒介契約とは、契約できる不動産会社が1社に限られている契約方法です。
有効期間も最長で3か月間と専任媒介契約に似ていますが、売主に対する活動報告の義務は1週間に1回以上と、専任媒介契約より厳しい条件が課されています。
レインズに不動産情報を登録する期限も媒介契約を結んでから5日以内と、7日以内とする専任媒介契約より短いです。
なお、専属専任媒介契約を選ぶと自分で買主を見つけられないため、売買契約を結ぶには信頼できる不動産会社を選ぶと良いでしょう。

まとめ

相続した不動産を売却する場合は、忘れずに登記手続きにて名義を変更しましょう。
譲渡所得税を抑えるなら、3年以内の不動産売却実現が重要です。
不動産会社と結ぶ媒介契約は、それぞれの違いなどを踏まえて慎重に検討してください。


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