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共有物分割請求訴訟とは?メリットとデメリットについて解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

共有物分割請求訴訟とは?メリットとデメリットについて解説

不動産を共有名義で所有していると、多くのデメリットやリスクが生じることをご存じでしょうか。
場合によっては、共有者から「共有物分割請求訴訟」を起こされ、意図せずして不動産を手放すことになりかねません。
そこで今回は、共有物分割請求訴訟とはなにか、訴訟を起こすメリットとデメリットについて解説します。
不動産を共有名義で所有している方は、ぜひ参考になさってください。

不動産を共有名義で所有している場合は注意!共有物分割請求訴訟とは?

不動産を共有名義で所有している場合は注意!共有物分割請求訴訟とは?

不動産を共有名義で所有していると、共有者から「共有物分割請求訴訟」を起こされる可能性があります。
ここでは、そもそも共有物分割請求訴訟とはなにかについて見ていきましょう。

共有物分割請求訴訟とは

共有物分割請求訴訟とは、裁判所を通じて不動産の共有状態の解消をおこなう訴訟のことです。
通常は、共有者の話し合いにより共有状態の解消を目指しますが、話し合いがまとまらない場合は訴訟を起こして解決します。
この訴訟は勝敗を決めるというよりも、裁判所の合理的な裁定を仰ぐといった特徴があります。
なお、共有物分割訴訟請求は、法的強制力があるので、請求を無視したり、知らないふりをしたりすることはできません。

共有物分割請求がおこなわれる代表的なケース

共有物分割請求は、主にどのような場合におこなわれるのでしょうか。
代表的なケースは以下の2つです。
ケース①共有名義となった不動産の活用方法での意見の違い
相続によって複数人の相続人と不動産を共有名義で引き継ぐケースは、珍しくありません。
しかし、共有名義の不動産の活用方法を巡って共有者で意見が分かれ、トラブルとなることがあります。
たとえば、共有者の1人は不動産を建て替えたいと考えています。
一方で、別の共有者は売却して現金化したいと考えていると仮定しましょう。
この場合、どちらも共有者全員の同意がなければ実行することはできません。
また、どちらかが相続した不動産に住み続けている場合、税金を負担しているほかの共有者たちにとっては不満が生じるでしょう。
このように、不動産を共有名義としてしまうと、共有者間で意見がまとまらず、結果的に共有物分割請求をおこなわれることになります。
ケース②夫婦の共有名義で不動産を購入している場合
夫婦ともにローンを組んで不動産を購入した場合は、不動産が共有名義となっています。
しかし、離婚時には共有名義の不動産を巡ってトラブルになることが多いです。
そのため、どちらかが共有状態の解消を求めて、共有物分割請求をおこなうことがあります。

共有物分割請求訴訟のメリットとは?

共有物分割請求訴訟のメリットとは?

共有状態の解消を求める目的の共有物分割請求訴訟ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、主なメリットについて解説します。

メリット①共有状態を解消できる

共有物分割請求訴訟の最大のメリットは、共有状態が解消できることです。
共有状態のままだと、管理や維持、税金についてトラブルが生じやすく、精神的にストレスを抱えてしまうケースもあるでしょう。
共有状態が解消できれば、そのような問題を抱えることもなくなります。
このように、面倒な共有状態から解放されたい場合は、共有物分割請求訴訟はメリットとして大きいといえます。

メリット②裁判所が中立な立場で解消方法を決定する

当事者同士では、感情が入ってしまうため、うまく話し合いがまとまらないこともあるでしょう。
しかし、共有物分割請求訴訟は、裁判所が中立な立場で判決を下します。
そのため、すべての共有者が納得できる形となり、スムーズな問題解決が望めます。
また、裁判所の判決は強制力があるため、必ずその判決に従わなければなりません。
もし判決を不服として従わない共有者がいても、強制的に共有の解消がおこなわれます。

メリット③公平な遺産分割が可能

共有物分割請求訴訟のメリットには、公平な遺産分割が可能であることも挙げられます。
判決により代償分割となった場合は、持分を取得する方がほかの共有者に代償金を支払うことになります。
この場合、共有者の根拠のない言い値により代償金が決まると、得する方と損をする方がでてくるでしょう。
しかし、共有物分割請求訴訟は、共有者から不当な言い値を請求されないように、専門家である不動産鑑定士により適正価格が評価されます。
不動産鑑定士が算出する価格には、根拠と公平性があるため、誰もが納得した形で解決が望めます。

共有物分割請求訴訟のデメリットとは?

共有物分割請求訴訟のデメリットとは?

共有物分割請求訴訟には、デメリットも存在します。
共有状態が解消できるというメリットは大きいですが、デメリットについても把握したうえで判断することが大切です。
ここでは、主なデメリットについて解説します。

デメリット①時間と手間がかかる

共有物分割請求訴訟の最大のデメリットといえるのが、時間と手間を要してしまう点です。
共有者同士の話し合いで決まれば、裁判所の調停や訴訟を利用する必要がなく、時間と手間もかかりません。
しかし、共有物分割請求訴訟を利用すると、判決までに相当な時間を費やすことになります。
なぜなら、訴訟の判決が出るまでには、複数回の口頭弁論がおこなわれるからです。
口頭弁論とは、法廷で自分の意見を主張する場のことです。
約1か月ごとに口頭弁論の場が設けられるので、解決するまでに相当な時間を要します。
状況によって異なるものの、およそ半年から1年程度かかることもあります。
さらに、控訴審や上告審が続くと、数年以上かかる場合もあるでしょう。
また、手間や時間だけでなく、精神的負担も大きくなります。

デメリット②希望どおりの結果になるとは限らない

共有物分割請求訴訟は、公平に判決が下されますが、必ずしも希望どおりの結果になるとは限りません。
たとえば、そのまま家に住み続けるために、ほかの共有者の持分を買い取る代償分割を希望していても、売却して現金化する換価分割になることもあります。
このように、訴訟を起こしても希望どおりにならない点を理解しておきましょう。

デメリット③競売により安く手放す可能性もある

共有物分割請求訴訟の判決では、「競売判決」が下される場合もあります。
現物分割ができず、かつ代償分割も難しいと判断された場合に競売となることがあります。
ただし、競売は通常の売却と異なり、相場よりも低い金額で落札されるため注意が必要です。
つまり、手元に入る金額が予想よりも少なくなる可能性が高くなります。
一般的には、売却価格の7割以下が相場になります。
このように、共有物分割請求訴訟には競売というリスクもあるため注意しなければなりません。

共有物分割請求訴訟がおすすめのケース

共有物分割請求訴訟は、共有者が話し合いに協力的でない場合に有効な手段といえるでしょう。
通常は、共有者同士の話し合いで決めるのが理想的ですが、なかには協力的ではない共有者もいます。
お互いの意見が食い違う状況であれば、訴訟を起こして解決することになるでしょう。
また、共有者の1人が共有名義の不動産に住み着いていて、出て行ってもらいたい場合にも有効です。
なぜなら、共有者は、持分によって共有物全体を使用できる権利があるからです。
認められれば、共有者を退去させることができ、かつ単独で所有することができるため検討してみると良いでしょう。

まとめ

共有物分割請求訴訟は、共有状態を解消でき、かつ公平な判決が下されるメリットがあります。
一方で、必ずしも希望どおりの判決になるとは限らない点に注意が必要です。
共有者同士の話し合いがまとまらない場合は、メリットやデメリットを考慮したうえで、共有物分割請求訴訟を検討しましょう。


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