遺留分とは?不動産評価額を調べる方法や決まらないときの対処法を解説!

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

遺留分とは?不動産評価額を調べる方法や決まらないときの対処法を解説!

不動産を相続するときには「遺留分」についての理解が重要です。
遺留分は遺産分割のときに、しばしば問題となりがちですが、そもそも遺留分とはどのようなものなのかがわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、遺留分の概要や遺留分における不動産評価額の決め方、不動産評価額が決まらないときの対処法を解説します。

不動産を相続する前に知っておきたい!遺留分とは何か?

不動産を相続する前に知っておきたい!遺留分とは何か?

これから不動産を相続する予定があるのなら、遺留分に関する概要をしっかりと押さえておきましょう。
ここでは、遺留分とは何かについて解説します。

遺留分とは?

遺留分とは、法定相続人が故人の遺産から最低限確保できる割合です。
遺言書などで特定の相続人に大半の財産を遺贈することがあっても、ほかの相続人が遺留分を主張すると最低限の取り分を受け取れるように法律で保障されています。
遺留分を請求できるのは、故人の配偶者や子ども、親などの直系尊属といった「法定相続人」です。
故人の兄弟・姉妹、相続放棄をした相続人、相続欠格・廃除された相続人には遺留分請求権はない点に注意しましょう。
故人の遺言書によって法定相続人がまったく遺産を受け取れないケースが生じるときでも遺留分が保障されているため、配偶者や子どもの財産を受け取る権利が奪われることはありません。

遺留分の取得割合とは?

法定相続人ごとに遺留分の取得割合は異なります。
通常、配偶者や子どもがいるときは遺産の1/2、直系尊属のみが相続人であるときは1/3が遺留分として保障されます。
また、遺留分はさらに法定相続人間で分割される点が特徴です。
たとえば、配偶者と子どもの2人が相続人であるケースでは、配偶者が遺産全体の1/4、子どもたちがそれぞれ1/8ずつの遺留分を取得できます。

遺留分における不動産評価額を調べる方法

遺留分における不動産評価額を調べる方法

遺産に不動産が含まれるときには、その評価額が遺留分計算の基礎となります。
ただし、不動産は現金や預金とは異なり、価格が一律で定まっていないため、評価額の算出方法が重要です。
ここでは、不動産評価額を調べる方法である「路線価方式」「地価公示価格方式」「固定資産税評価額方式」「実勢価格方式」「不動産鑑定評価額方式」について解説します。

不動産評価額を調べる方法①路線価方式

路線価は道路に面した土地1㎡あたりの価格であり、国税庁が毎年公表しています。
相続税や贈与税の課税評価基準として用いられるなど、多くのケースで採用されている不動産の評価方法です。
路線価は、国税庁のサイト「財産評価基準書路線価図・評価倍率票」を見ると確認できます。
ただし、路線価には実勢価格よりも安くなるデメリットがある点に注意が必要です。

不動産評価額を調べる方法②地価公示価格方式

地価公示は、国土交通省が公表している毎年1月1日時点における標準地の価格です。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で相続の対象となっている不動産の周辺地における標準地の価格を調べると、おおよその評価額を算出できます。
ただし、地方にある不動産など、周辺に参考となるような標準地がないケースでは、地価公示を参考にするのは難しいといわざるを得ません。

不動産評価額を調べる方法③固定資産税評価額方式

固定資産税評価額は、相続の対象となる不動産に課される固定資産税の算出基準となる価格です。
毎年4~6月頃に自治体から送られてくる固定資産税課税明細書を見ると確認できます。
もし、手元に課税明細書がないときには、自治体に備え付けられている固定資産課税台帳を閲覧して調べることが可能です。
ただし、路線価同様、固定資産税評価額も実勢価格に比べると、安くなることが多い点に注意が必要です。

不動産評価額を調べる方法④実勢価格方式

実勢価格は、不動産が実際に取引された価格であり、国土交通省のサイト「不動産情報ライブラリ」を通じて調べられます。
ただし、実際価格はあくまでも時価であり、経済情勢などによって金額が異なってくる点に注意が必要です。
遺留分の調停現場では、相続人同士が別々の不動産会社に査定を依頼して、作成してもらった査定書を証拠としたうえで、それぞれの査定額を足して2で割った金額を評価額とすることもあります。

不動産評価額を調べる方法⑤不動産鑑定評価額方式

ここまでにご紹介した方法のなかで、もっとも精度が高い時価を算出できるのが「不動産鑑定評価額方式」です。
不動産鑑定評価額は、不動産の適正な資産価値を判定するプロである不動産鑑定士に依頼して算出してもらいます。
数十万円ほどの鑑定費用を支払う必要はありますが、不動産のより正確な価値を算定できるため、相続人同士のトラブルを未然に防ぎたい方におすすめの評価方法です。

遺留分の不動産評価額が決まらない・合意できないときの対処法

遺留分の不動産評価額が決まらない・合意できないときの対処法

不動産評価額について相続人同士で円滑に合意が成立すれば問題ありませんが、評価額の見解が異なるとトラブルに発展することもあります。
とくに、評価額が遺留分額に影響をおよぼすときには慎重な検討が必要です。
ここでは、遺留分の不動産評価額が決まらない・合意できないときの対処法について解説します。

評価額が決まらないときの対処法①不動産鑑定士の評価を受ける

不動産評価額が決まらないと悩んでいるときには、不動産鑑定士への依頼を検討しましょう。
専門家である不動産鑑定士に依頼すると、公平な評価を受けることが可能です。
不動産鑑定士は、市場調査や物件の特性を考慮し、公正な評価額を算出します。
この評価額は、相続人同士での合意形成にも役立つため、感情的な対立があるときにもスムーズに相続を進められるようになります。
ただし、前述のように鑑定料がかかるため、必要性や予算を考慮して利用するかどうかを判断することが重要です。

評価額が決まらないときの対処法②弁護士に相談する

不動産評価額が決まらないときには、相続の専門家である弁護士に相談することも有効です。
とくに、複数の不動産や遺留分の割合に関して争いが生じているときには、弁護士が法的な観点から適切な解決方法を提案してくれます。
また、弁護士を通じて話し合いをおこなうと、感情的な対立を避けられてスムーズな交渉が可能になります。
相続に関する法律や手続きの知識が豊富な弁護士の支援を受けると、遺産分割の複雑な問題も円満に解決可能です。

評価額が決まらないときの対処法③:裁判所を利用する

相続人間での話し合いが成立せず、不動産鑑定士を用いてもなお評価額が決まらないときには、裁判所による調停や裁判が最後の手段となります。
調停では裁判所が仲介役となり、相続人が話し合いによって合意にいたるようサポートします。
調停が不調に終わると、裁判所が審判により判断を下す流れです。
調停や審判は時間と費用がかかるため、早期の合意を目指すことが理想ですが、トラブルが深刻化したときにはやむを得ない手段として検討するのも選択肢のひとつです。
なお、遺留分に関する調停や裁判は、遺贈や生前贈与などによって遺留分を侵害した方の住所地を管轄する家庭裁判所でおこなわれます。
また、裁判官が遺留分の侵害額を決定するときには、自分の請求どおりに認められるとは限らない点にも注意する必要があります。

まとめ

遺留分は、相続人が最低限の取り分を確保できる重要な権利です。
不動産が遺産に含まれるときには、実勢価格方式や路線価方式などの方法で評価額を算出して、相続人の間で合意する必要があります。
もし、評価額が決まらないときには、不動産鑑定士による評価や弁護士への相談、裁判所での調停・審判といった対処法の活用が推奨されます。


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