相続した共有名義の不動産を差し押さえられないためには?対処法を解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

相続した共有名義の不動産を差し押さえられないための対処法を解説

不動産を共有している方の誰かの財産が差し押さえになったら、自分の共有持分にも何かしらの影響があるかもしれないと不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。
実はほかの共有者たちの所有権が差し押さえられるわけではないものの、間接的に少し影響が生じます。
そこで今回は、不動産の差し押さえとは何かお伝えしたうえで、間接的に起こりうるトラブルと対処法について解説します。

不動産の差し押さえとは

不動産の差し押さえとは

不動産の差し押さえとは、何かしらの理由で不動産の共有者の一人が返済義務を怠ったときに金融機関から強制的に財産の管理を制限させられることを指します。
たとえば、債務者が住宅ローンやクレジットカードの返済義務があるにも関わらず、延滞・滞納を繰り返すと、金融機関などのお金を貸した側の債権者が損をすることになります。
そのため、債権者は自分たちの権利を保護するために、裁判所に申し立てをおこない、差し押さえを求めるのです。
そして、不動産に関しては「差し押さえ登記」をおこなうと、債務者が該当不動産を売却・処分したとしても、債権者の権利が優先されます。
また、差し押さえをされると、預貯金や不動産などの全財産を債務者が一切管理できなくなると認識している方は一定数いらっしゃるかと思います。
ですが実際には、債権者が不動産の差し押さえをした後に、共有者である債務者が不動産を売却・運用・処分といった管理をおこなうことは可能です。
しかし、差し押さえ登記を済ませた後の不動産に関しては、新しい所有者よりも債権者の権利の方が強い効力を持つため注意が必要です。
なお、不動産市場に出せたとしても、共有名義の一部が差し押さえ登記されていると分かっている状態で、不動産を購入しようとする方は少ないかもしれません。
そんな不動産の差し押さえに至るには、債権者が家庭裁判所に対して競売申し立てをします。
続いて、官公庁が法務局に対して差し押さえ登記を申請して認可されれば完了です。
つまり、債権者自身が直接的に差し押さえを依頼するわけではなく、公的機関によって強制的に財産の管理制限がかけられる流れとなっています。
また、差し押さえになる主な原因は、住宅ローンの滞納・債務滞納・税金滞納の3つです。
住宅ローンの場合は抵当権がつくため、訴訟を起こさなくても金融機関の権限で購入不動産を競売にかけられます。
一般債権者の場合は支払督促や訴訟などを起こして、差し押さえの必要性がある根拠を示した債務義務の書類の取得が必要です。
税金を滞納した場合は官公庁が滞納証明を出すと、共有名義の不動産を含むすべての財産を差し押さえられます。

共有名義の不動産が差し押さえられたら相続はどうなるのか

共有名義の不動産が差し押さえられたら相続はどうなるのか

共有名義で所有している不動産も差し押さえに合う可能性があります。
ただし、共有者の一人が財産の差し押さえにあったからといって、他の共有者の持分まで差し押さえられるわけではありません。
あくまでも、差し押さえ対象になるのは、滞納者の持分に対してのみです。
とはいえ、不動産のように分配が難しい財産を「共有」している場合、実質的には共有者全員で1つの財産を所有する権利を持つ状態を意味します。
つまり、共有者の1人が差し押さえを受けて競売対象になれば、他の共有者にも少なからず影響はでてくるでしょう。
他の共有者が懸念するべきトラブルは、第三者が共有名義に加わる可能性と共有物分割請求で共有名義解消を持ちかけられる可能性の2点です。
まず、相続した不動産を共有している場合、ほとんどは共有者同士が親族です。
しかし、共有者の一人が不動産の差し押さえに合うと、共有名義の一人が第三者になるため、財産管理の話し合いで意見が食い違う可能性があります。
親族の間では思い入れのある不動産物件を残したいと考えていても、第三者の一人が売却や処分を主張すれば、納得してもらえるまで話し合いをしなければなりません。
続いて、第三者として共有名義の不動産を所有し続けるのに抵抗を感じる方は多いです。
よって、差し押さえをした持分のみを他の共有者に共有物分割を要求し、対価を受け取って共有名義の解消をしようとするのが一般的です。
他の共有者は拒否する権利を持っているものの、共有物分割請求の訴訟を起こされてしまうと、結果次第では強制的に解消しなければなりません。
判決は裁判所がおこないますが、訴訟を起こした側の証拠が不十分であったとしても請求棄却はできないため、解消が求められます。

共有名義の不動産が差し押さえられる可能性があるときにできる対処法

共有名義の不動産が差し押さえられる可能性があるときにできる対処法

共有者の持分が差し押さえられる可能性があるときは、まずは該当物件を所有し続けたいか、手放して良いかによって対処法が異なります。
物件を所有し続けるのであれば、差し押さえ前に共有持分を買い取るか、債務者の代わりに負債を弁済する方法があります。
まず、不動産を差し押さえられる前に他の共有者が持分を買い取っておくと、共有者に第三者が含まれる心配がありません。
ただし、共有者間で持分の売買をした結果、債務者の預貯金や他の財産がなくなり「無資力」になる場合は、詐害行為とみなされる可能性があります。
詐害行為と判断されると、そもそも共有者間の売買は取消されてしまうため、他に財産や資金がないのであれば活用できない対処法です。
続いて、債務者の滞納分を他の共有者が債務を支払うと、差し押さえを避けられます。
ただし、法律上では利害関係のない人が債務者の意思を尊重せずに、独断で第三者の債務の支払いはできません。
共有名義の一人が差し押さえに合うと不動産を所有するうえで不利益がある場合、利害関係は認められますが、債務者本人からの許可が必要です。
必ず債務者本人と話し合いをして、了承を得たうえで債務の支払いを代わりにおこなってください。
差し押さえの該当物件を手放しても良いのであれば、売却するのが良いでしょう。
売却する主なタイミングは、差し押さえ前・差し押さえ後の2パターンです。
差し押さえ前に共有者全員が合意して売却をするのであれば、詐害行為に該当しないように気を付けなければなりません。
また、住宅ローンを組んでいて抵当権がついているのであれば、金融機関に事情を伝えたうえで任意売却する方法があります。
任意売却を利用すれば、売却した資金で住宅ローンの残債をまとめて支払える可能性があるため、負担を軽減しやすいです。
続いて、差し押さえ後に売却をするのであれば、債務者から共有権を引き取った第三者の破産管財人と協議をして手続きを進めます。
多くの場合、破産管財人側から他の共有者に対して、財産の換価や配当をするために売却する予定があるか申し出があります。

なぜなら、第三者が不動産のように分配のできない財産の一部を所有していても、あまりメリットがないからです。
そのため、差し押さえで引き継いだ不動産の共有持分を所有し続けるのではなく、現金化したいと考えるのが一般的であるといえるでしょう。
どの対処法を利用するにしても、常に共有者たちの債務状況を確認したうえで、突然差し押さえされる心配がないようにしておくと安心です。
できるだけ早く把握すれば、差し押さえされる前に問題を解決できる可能性も十分にあります。

まとめ

共有名義で所有している不動産が差し押さえに合うと、他の共有者は不動産の管理が困難になる可能性があります。
多くの場合、第三者が不動産の所有権の一部を受け取ってもメリットがないため、売却して現金化したいと考えるからです。
まずは、不動産を所有し続ける気があるのかを話し合ったうえで、共有自分を買い取るのか、物件自体を売却するのか検討しましょう。


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