共有名義の相続登記とは?手順とメリットとデメリットを解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

共有名義の相続登記とは?手順とメリットとデメリットを解説

複数人でひとつの不動産を所有している場合、どのような手続きが必要になるか気になっている方は多いのではないでしょうか。
不動産のように所有権を証明する必要のある財産は、引き継いでからできるだけ早急に相続登記をしなければなりません。
そこで今回は、共有名義の相続登記とは何かお伝えしたうえで、手続きの手順とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

共有名義の相続登記とは

共有名義の相続登記とは

共有名義の相続登記とは、ひとつの不動産を複数人で所有権を持つ状態です。
不動産を相続するときに、民法上で定められた法定相続人が法定相続分をそのまま引き継ぐと決めた場合は共有名義の不動産登記になります。
たとえば、相続財産が土地や建物などの不動産しかないケース・遺産分割協議で不動産に関する意見がまとまらなかったケース・遺産分割協議をしなかったケースです。
所有権を持つ方たちを共有者と呼び、法定相続分に対してそれぞれの持分が決まります。
共有者たちは、所有する持分に対しては不動産の管理や運用が認められますが、実際には不動産のように分配が難しい財産は自由度が少ないです。
たとえば、ひとつの不動産を3人で相続したのであれば、それぞれの共有者は3分の1ずつ持分を持ちます。
賃貸物件として貸し出すのであれば家賃の3分の1を受け取る権利を持ち、他の共有者と協議して居住用物件として住む権利があります。
ただし、建て直し・売却・処分など財産に大きな変化が生まれるような変更に関しては共有者の同意が必要です。
具体的に共有者の同意が必要なものは、財産保存・利用・改良を目的とした管理行為と、法律や物理的に性質や形状を変える変更行為の2種類です。
管理行為では共有者の過半数以上、変更行為では共有者全員の同意が求められます。

共有名義の相続登記の手順

共有名義の相続登記の手順

共有名義の不動産登記の手順は、不動産の特定・登記簿謄本の取得・遺産分割協議・書類収集・登記申請です。
まず、相続登記が必要になる不動産がどれになるのか・いくつあるのか・何人で財産を引き継ぐのかを特定してください。
固定資産税の通知書や不動産の権利証からいつでも確認できます。
続いて、不動産の登記簿謄本を取得して、抵当権や不動産の状況を確認してください。
登記簿謄本は、土地や建物などの不動産の所有者・面積・所在地・権利関係などがすべて記載されている書類を言います。
とくに確認するべきポイントは抵当権の有無であり、抵当権がついている場合は、該当不動産が金融機関の担保になっている状態です。
住宅ローンの返済が終わっていないのであれば共有者全員での返済義務が残っているため、不動産を所持し続けるのか、任意売却するのか検討しなければなりません。
また、住宅ローンを完済していても被相続人が抵当権抹消の手続きをしていなければ、金融機関の担保になった状態が維持されます。
住宅ローンを完済して時間が経過してから抵当権を抹消するのであれば、必要書類の収集などに時間を要する可能性がある点を理解しておきましょう。
相続した不動産に関して遺産分割協議をおこなった場合、共有者全員の実印が押された遺産分割協議書と印鑑証明書の用意が必要です。
ちなみに、相続手続きで印鑑証明書を提出するときは発行から3か月以内の書類しか有効でないケースが多いです。
しかし、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の発行日には規定がありません。
そのため、他の手続きで使用した印鑑証明書があれば再利用ができるのが特徴です。
共有者が納得していない状態で不動産の建て替え・売却・運用・処分などはできません。
遺産分割協議をおこなわなかった場合、この過程は省略されます。
続いて、相続登記で必要な被相続人と相続人(共有名義に記載されている方たち)の戸籍謄本などの必要書類を集めます。
必要書類がすべて揃ったら、作成した登記申請書に添付し、不動産の所在地にある法務局(登記所)に申請すると手続きは完了です。
申請書と必要書類を提出するときには、登録免許税の支払いが求められるため覚えておくと良いでしょう。

共有名義で不動産を相続するメリットとデメリット

共有名義で不動産を相続するメリットとデメリット

共有名義で不動産を相続するメリットは、法定相続人たちの公平性が図れる点です。
民法上で定められた法定相続人たちが法定相続分を財産として引き継ぐのであれば、相続財産を引き継ぐ権利を持つ方たちが複数いても不満につながりにくいです。
遺産分割協議で意見がまとまらず、想像登記を放棄してしまうと、不動産の共有者が増えて管理が難しくなる可能性があります。
不動産の共有者の1人が亡くなった場合、共有者の法定相続人が共有持分を分配するため、共有者が知らぬ間に増えてしまうため注意が必要です。
相続した不動産をどのように管理するのか決めていないとしても、まずは共有名義で相続登記をすれば、後から時間をかけて遺産分割協議ができます。
共有名義で不動産を相続するデメリットは、トラブルになりやすい点が挙げられます。
まず、不動産のように物理的に分配が難しい財産に関しては、共有者全員の合意がなければ売却や運用などができません。
共有者の一部は早急に売却して現金化したいと考えていたとしても、その他の共有者が思い出の場所だからとの理由で維持したいと主張すれば話し合いは難航するでしょう。
売却をするのであれば、共有者全員の実印と印鑑証明書の提出が必要なため、1人でも売却に同意しなければ売却活動はできません。
また、共有名義とはいえ固定資産税の支払い通知書や管理費の徴収は、代表者に郵送されます。
本来であれば、共有者全員が平等に支払いを分担して、代表者に支払わなければなりません。
しかし、代表者が命じる支払いを他の共有者が無視し続けたとしても、法的にペナルティが課せられるわけではないため負担が偏る可能性があります。
さらに、共有者の一人が認知症になってしまった場合、後から土地や建物を売却したいと思い立っても意思確認ができません。
判断能力がないレベルの認知症になっているのであれば、成年後見人を立てて遺産分割協議をしなければならないため、残りの共有者にとって負担が大きくなります。
このように、共有名義で不動産を相続する場合は、メリットとデメリットが伴う点を把握しておきましょう。
先祖代々守ってきた土地や思い入れのある建物に対して、相続人たちが協力しながら維持したいと考えるのであれば、共有名義で不動産を相続するべきです。
一方で、法定相続人同士の話し合いで不動産を維持したい方と売却したい方で意見が分かれたのであれば、共有名義で不動産を相続しないほうが良いかもしれません。
不動産を維持したい法定相続人が他の法定相続人に持分に対する換価を支払って単独名義にすれば、自由に管理ができるようになります。
一概にどの方法が優れているか断言するのは難しいため、状況に応じて相続方法を選択するようにしましょう。

まとめ

共有名義で不動産を相続すると、複数人で所有権を持つため、固定資産税や管理費の支払いが分担されるため負担は軽減されます。
一方で、建て直し・運用・売却・処分など不動産自体に大きな変化があるような決断では、共有者全員の合意が必要になるため、時間がかかる可能性があるため注意が必要です。
共有名義の不動産登記は一長一短のため、長期的な視点でどちらの選択が優れているのかを判断するようにしましょう。


”共有持分売却窓口のお役立ちブログ”おすすめ記事

  • 東京都調布市の持分買取り・リースバックのご依頼の画像

    東京都調布市の持分買取り・リースバックのご依頼

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

  • 一棟マンション・アパート・ビル等の共有持分売却についての画像

    一棟マンション・アパート・ビル等の共有持分売却について

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

  • 令和7年4月のご相談・ご依頼状況の画像

    令和7年4月のご相談・ご依頼状況

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

  • 令和7年3月のご相談・ご依頼状況の画像

    令和7年3月のご相談・ご依頼状況

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

  • 親との共有名義の実家の画像

    親との共有名義の実家

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

  • 今月のご依頼状況の画像

    今月のご依頼状況

    共有持分売却窓口のお役立ちブログ

もっと見る