共有名義の空き家を放置するリスクは?特定空家等特別措置法と処分を解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

共有名義の空き家を放置するリスクは?特定空家等特別措置法と処分を解説

不動産を複数人で共有している場合、共有者同士で管理方法の意見がまとまらずに放置してしまうケースがあるかと思います。
しかし、放置してしまった結果、空き家にしてしまうと、後からトラブルに発展して、負担になる可能性があるため注意が必要です。
そこで今回は、共有名義の空き家を放置するリスクをお伝えしたうえで、特定空家等特別措置法の対象になる可能性と処分費用について解説します。

共有名義の空き家を放置するリスク

共有名義の空き家を放置するリスク

基本的に複数人で所有している不動産の全体の取り扱いについては、所有権を持つ共有者全員の合意がなければ売却・運用・処分などの話を進めることはできません。
共有者全員の意見が纏まれば大きな問題にはならないものの、一人でも話し合いに参加しなかったり反対意見を出したりしている場合は、スムーズにやり取りができず空き家状態で放置される可能性が高いのです。
そんな時に考慮しておきたいのが、「管理負担の偏り」「犯罪」「近隣トラブル」などが、空き家を放置することによって発生してしまうといった点です。
まず、複数人で不動産を共有しているとしても固定資産税の納税は必須であり、基本的には納税通知書は登録されている代表者に郵送されます。
つまり、固定資産税の支払いについて話し合いをしていなければ、長期的に代表者が一人で負担しなければならず金銭的な負担になり、トラブルになりかねません。
また、定期的なクリーニングや修繕のために手間や費用の負担を一人が担っているのであれば、共有者同士の関係性に亀裂が入る可能性が考えられます。
そして犯罪においては、空き家を放置している状態になると、不法侵入・不審火・放火・不正取引の現場・違法薬物の栽培として犯罪の温床になる可能性があります。
建物自体が劣化していると窓ガラスを割って侵入して、ホームレスが生活の拠点にしたり犯罪グループの溜まり場として使われたりする可能性もあるのです。
なお、放置していることが原因となって、放火のターゲットにもなりやすく、近隣住民への被害も発生する可能性もあるでしょう。
最後に、空き家等対策の促進に関する特別措置法では、空き家の所有者は定められた規定に合わせて適切に管理・維持するように法律で義務化されています。
しかし、共有名義の場合はそれぞれが多忙などを理由に管理を免れようとして、空き家が劣化・腐敗して悪臭・景観の悪化・ネズミやゴキブリなどの害虫の発生源になる可能性があります。
放置すればするほど修繕や清掃の手間や費用が大きくなるため、管理する機会を逃しやすいです。
結果的に近隣住民の住環境を阻害して、近隣トラブルとしてクレームされ、最悪のケースでは賠償責任を問われる可能性もあります。

共有名義の空き家が特定空家等対策特別措置法の対象になるリスク

共有名義の空き家が特定空家等対策特別措置法の対象になるリスク

共有名義の空き家を放置すると、特定空家等対策特別措置法の対象になる可能性があります。
特定空家等対策特別措置法とは、放置される空き家が増えて倒壊や保安面でリスクがある状態と判断される物件を取り締まるための制度です。
特定空家等対策特別措置法に指定されると、行政から助言・指導の勧告がされます。
勧告されてから改善が見られない場合、土地の固定資産税の優遇制度の対象外・50万円以下の罰金・行政代執行による解体の処分などを下される可能性があります。
土地に居住用の建物が建設されている状態であれば、住宅用地の特例として土地の固定資産税が通常の6分の1に軽減されますが、措置法の対象になると軽減制度が適用されません。
つまり、今まで支払っていた固定資産税の6倍の納税額が請求される恐れがあります。
特定空家等対策特別措置法の対象になる流れとして、自治体から助言・指導・勧告・命令の順番で改善するように要求されます。
助言・指導・勧告までの大きなペナルティは科せられないものの、命令まで行くと50万円以下の罰金の支払いが求められる可能性が高いです。
命令が出されても改善の様子が見られない場合、所有者への事前通告なしに、行政が業務代執行をおこない、空き家は強制的に解体されてしまいます。
また、解体費用は所有者負担になるため、支払いを無視した場合、現金・金融機関・不動産・自動車など財産になるものはすべて差し押さえの対象となります。
業務代執行になると高額な解体費用が発生するため、共有者全員が金銭的な負担を受けるでしょう。
後回しにすればするほど、問題は膨れ上がるからこそ、早めに話し合いをして誰か一人に所有権を渡すのか、全員で売却するのかを決めると良いでしょう。

共有名義の空き家を売却できず解体する場合の処分費用

共有名義の空き家を売却できず解体する場合の処分費用

特定空家等対策特別措置法の対象にならないため、できるだけ早く現金化を目指して共有名義の空き家を売却しようと思っても、必ずしも買い手が見つかるとは限りません。
現状の空き家を売却できなければ劣化・腐敗が進んでさらに資産価値は下がるため、修繕・クリーニングをして売却活動をするか、解体して建物を処分するか検討しなければなりません。
解体費用の相場は、一般的な30坪の一戸建て住宅で150万〜200万円程度です。
共有名義の不動産の場合は、売却・運用と同様に共有者全員が解体に合意していなければ処分できません。
共有者は持分に合わせて解体費用の支払いが必要です。
ただし、共有者の誰かが解体費用をださなかったとしても法的な拘束力はないため、他の共有者が立て替えるか支払いがあるまで処分を延期しなければなりません。
また、空き家を解体した場合は住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税の納税額が最大6倍に膨れ上がる可能性がデメリットです。
空き家を放置すると、犯罪の温床になったり近隣トラブルに発展したりするリスクがあるため、安全性を考慮するのであれば早急に対処するべきです。
最悪のケースでは行政によって勝手に解体されて、高額な解体費用を請求される可能性もあるため、ご自身の把握できる範囲内で処分した方が金銭的な負担は軽減できるでしょう。
デメリットを意識しすぎて解体処分をすると、高額な解体費用と土地の固定資産税の増加によって思わぬ支出が増える可能性があるため、まずは売却を検討するのがおすすめです。
共有名義の空き家を売却する場合、他の共有者の合意のもと全員一緒に不動産を売り出せますが、手続きでは各共有者の署名や捺印が必要で手間がかかります。
そこで、共有者一人が全員分の持分を買い取って一人で売却活動をするか、共有名義の不動産にも理解がある業者に買い取ってもらう方法もあります。
業者に買い取ってもらうのであれば不動産相場を下回る可能性が高いため、共有者一人が代表して不動産の売却をおこなうのがもっとも効率的です。
ただし、所有権を譲ってもらった共有者に対価を支払わなければならないため、まとまった資金を持っていなければむずかしいでしょう。

まとめ

共有名義の空き家は、売却・運用・処分の話し合いがまとまらずに放置されるケースが多いですが、犯罪に巻き込まれたり近隣住民からクレームを言われたりする可能性があります。
また、特定空家等対策特別措置法になると固定資産税が高くなったり強制的に解体されたりするリスクもあるため、大きな問題に発展する前に対処しなければなりません。
まずは共有者全員で話し合いをして不動産が劣化する前に売却できれば理想的ですが、買い手が見つからないのであれば解体して更地にするのも検討しましょう。


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