不動産の共有名義人の片方が他界したら相続はどうなる?順位や注意点を解説

共有持分売却窓口のお役立ちブログ

新井 一毅

筆者 新井 一毅

不動産キャリア22年

不動産の共有名義人の片方が他界したら相続はどうなる?順位や注意点を解説

配偶者や親子で不動産を共有していて、片方が亡くなってしまった場合、誰が持分を受け継ぐのか不安に感じている方がいらっしゃるかと思います。
また、どのような手続きが必要となるか分からず、疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、不動産の共有名義者の片方が亡くなった場合に財産を受け継ぐ順位に加えて、登記を変更する手続き方法と注意点についても解説していきます。

不動産の共有名義人の片方が他界した場合は誰が受け継ぐ?

不動産の共有名義人の片方が他界した場合は誰が受け継ぐ?

不動産を共有で所有している片方が亡くなったら、どのような決まりで個人の財産は引き継がれるのでしょうか。
ここでは、財産の受け継ぎ方や順位に加えて、財産の割合について解説していきます。

法定相続人に権利がある

まず、故人が遺言書を残している場合は遺言の内容が優先されます。
一方、遺言書を残していない場合、不動産の共有名義は、法で決められた親族に引き継ぐ権利があるのです。
また、不動産の名義人が亡くなった場合は、他の財産と同じく、法で決められた親族に財産を引き継ぐ権利が認められます。
そのため、不動産の共有名義人であっても、持分の権利が親族より優先されるわけではありません。
そして、一般的に不動産は家族間で共有されることが多いため、引き継ぐ者同士によるトラブルが発生する可能性は低いです。
なお、亡くなった共有者が配偶者で、法定相続人が配偶者のみの場合は、もっとも優先される相続人のため持ち分もそのまま相続されます。

相続の順位とは

まず前提として民法では、財産の所有者が亡くなったタイミングで配偶者がいる場合、原則配偶者が相続人になると定められています。
また、配偶者以外に親族がいる場合には、故人との関係によって財産を受け継ぐ順位が決められます。
引き継ぐ順位は、1位が子ども、その次の2位が両親や祖父母の直系尊属、3位に兄弟姉妹です。
第1位である子どもが故人の場合は、その子どもである孫が相続人となります。
第2位の両親が亡くなっている場合は祖父母が、第3位の兄弟姉妹が亡くなっていると、その子どもである甥や姪が相続人となります。
また、故人に該当する親族がいない場合には、故人と特別に親しい関係のような存在である、特別縁故者に財産が分与されます。
なお、特別縁故者として財産を受け取るためには、裁判所に対して財産分与の申立請求が必要です。
どうしても難しいと感じ、誰に財産を受け継いだら良いのかわからない方は、お気軽に弊社へご相談ください。

財産の割合の目安

前提として、配偶者以外にも引き継ぐ親族がいる場合には、財産の割合に注意しておく必要があります。
受け継ぐ財産の割合は、受け継ぐ方の組み合わせや、それぞれの順位によって異なります。
まず、配偶者以外に1位から3位までに該当する親族がいない場合は、配偶者がすべて財産を受け継ぎます。
故人の配偶者と子どもがいる場合には、配偶者と1位の子どもが半分ずつ相続することになります。
そして、故人に子どもや、孫の直系卑属に該当する親族がいない場合は、配偶者が3分の2、第2位の両親が財産の3分の1を受け継ぎます。
この場合、第1位の子どもの時と同様に、第3位である兄弟姉妹には、故人の財産を受け継ぐ権利はありません。

不動産の共有名義人の片方が他界した場合の手続きの流れ

不動産の共有名義人の片方が他界した場合の手続きの流れ

共有名義を持っている片方が他界し、遺言書があれば、その内容が最優先されます。
不動産持ち分を変更する場合の手続きの流れについて解説していきます。

相続人を確定させる

最初におこなうのは、財産を受け継ぐ親族の確定です。
確定のためには、故人が出生してから亡くなるまでの、すべての戸籍を取り寄せる必要があります。
戸籍謄本に記載されているのは、もっとも新しい事項のため、故人が他界したときからさかのぼっていき、出生までのすべての戸籍が必要です。
戸籍は、婚姻や離婚、本籍地の移転などによって新たに作成されるため、ほとんどの方が複数の戸籍を有していると考えましょう。
戸籍謄本の取り寄せは、それぞれの本籍地がある市町村役場に依頼する必要があります。
戸籍謄本の取り寄せができるのは、相続人と代理人です。
取り寄せの際には申請をする人の身分証明書や、故人との続き柄の証明書類や委任状、郵送の場合には取得費用分の小為替などが必要となります。
故人のすべての戸籍謄本を取り寄せて確認した後に、財産を引き継ぐ親族を確定させます。

遺産分割協議をする

相続人が明確になったら、財産を受け継ぐ相続人全員によって、遺産分割協議が必要です。
故人の財産のうち、誰がどの財産をどの割合で引き継ぐか、全員で協議してまとめ、全員が合意をする必要があります。
他の財産と同じく、該当する親族で協議をしたうえで、不動産の共有名義を受け継ぐ方も決めていきます。
遺産分割協議で、すべての相続人の合意を得られれば、共有名義の片方の所有者にすべて引き継ぎも可能です。
なお、協議で決まった事項は、遺産分割協議書として書面に残す必要があります。
この遺産分割協議書は、相続における各種手続きにおいて必須の書類です。

故人の持分の変更登記をおこなう

遺産分割協議で不動産の共有名義の持分の相続が決定したら、故人が所有していた持分の登記の変更手続きをおこないます。
変更の申請ができる方は、相続人と代理人です。
不動産がある場所を管轄している法務局で申請手続きができます。
遺言書がない場合には、故人と受け継ぐ方の戸籍謄本の他、固定資産評価証明書や印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要です。
なお、変更のため諸費用として、該当する不動産の固定資産評価額の0.4%の登録免許税が必要です。
2024年3月より、登記変更は義務となりましたので、遺産分割協議で受け継ぐ方が決まったら、必ず変更の申請をおこないましょう。

不動産の共有名義人の片方が他界したときの注意点

不動産の共有名義人の片方が他界したときの注意点

共有名義人の片方が亡くなった場合に、注意しておきたいポイントや、リスクなどについても解説していきます。

住宅ローンの有無や団信の加入の確認

不動産を共有名義で購入した際、親子ローンやペアローンを組んでいるケースがあります。
ローンの返済中で残債がある場合、財産と同様、親族へ受け継がれる対象となります。
相続人は不動産だけではなく、債務も受け継ぐ可能性がありますので、必ず確認が必要です。
住宅ローンを利用しているかどうかは、不動産の登記で確認可能です。
また団体信用生命保険に加入している場合は、被保険者が亡くなった場合、保険によって完済されます。
加入状況は故人の所有していた書類で確認する方法の他、ローンを利用している金融機関に問い合わせることで確認が可能です。

親族間で考えられるトラブル

不動産を共同で所有していて片方が亡くなった場合でも、共同名義人が優先して持ち分を引き継ぐわけではありません。
相続は決まりにしたがっておこなわれるため、故人の持分は相続によって、複数の親族が共同名義となる可能性もあります。
不動産の賃貸や売買には、共有している方すべての同意が必要です。
共有者が多くなると、すべての方から同意が得られないケースや、遠方や疎遠の親族のため連絡が取れないケースもあります。
さらに共有名義の建物に居住している場合には、持ち分に合わせた賃貸料が発生し、賃貸料の金額や配分によっては、トラブルにつながる場合もあります。
また、固定資産税や維持管理のための費用の負担割合についても、トラブルを招く原因となりかねません。

まとめ

不動産を共同名義で所有していた片方が亡くなった場合、共有名義人に優先権はありません。
故人の不動産の共有持分も、財産の対象となりますので財産を受け継ぐ権利がある親族全員によって遺産分割をおこなう必要があります。
遺言書が残されていない場合には、相続人を確定した後、全員による遺産分割協議が必要です。
故人の住宅ローンの確認や、親族間で起こりやすいトラブルや注意点をあらかじめ知っておくと後々のトラブルを防ぐことができるため安心でしょう。
共有名義の不動産の相続でお困りの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。


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