不動産の相続税評価額とは?家屋・建物と土地の計算方法をご紹介

不動産の相続税評価額とは?家屋・建物と土地の計算方法をご紹介

不動産を相続する予定がある方のなかには、相続税がどのくらいになるのか不安に感じる方もいると思います。
そのなかでも「相続税評価額」とはどういうものなのか、その計算方法を知りたいと思っている方も多いでしょう。
今回は、不動産の相続税評価額とはどのようなものか、家屋・建物・土地の計算方法についてご紹介します。

不動産の相続税評価額とは?

不動産の相続税評価額とは?家屋・建物と土地の計算方法をご紹介

相続税評価額とは、不動産の相続税や贈与税を計算するときの基準となる課税価格を指します。
被相続人が残した財産には、現金、預貯金、土地、家屋、有価証券などさまざまな種類があり、これらを一つひとつ評価して財産の総額を算出していきます。
財産の評価方法は、その財産ごとに決められていて、その評価方法にしたがって計算した財産の価格が「相続税評価額」です。
固定資産税評価額は、毎年役所が計算して通知が届きますが、不動産の相続税評価額については、納税者が自ら計算しなければなりません。
原則として、不動産の相続税評価額は「時価」で評価する決まりですが、納税者が自分で時価を求めるのは難しいため「財産評価基本通達」の基準に沿って財産の価額を評価します。

時価とは

時価とは、実際に売買がおこなわれるときの金額です。
国や都道府県が毎年公表している公示価格を基準にすると、時価は公示価格の1.1~1.2倍が目安といわれています。
これに対して、固定資産税評価額は公示価格の0.7倍が目安となっており、路線価方式による相続税評価額は公示価格の0.8倍を目安として設定されています。

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、固定資産税や都市計画税を課税するための基準となる評価額です。
固定資産税だけでなく、不動産取得税や登録免許税の課税にも使用されています。
固定資産税評価額は、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づき、市町村が評価・決定をおこなうため、納税者は自分で計算する必要はありません。
固定資産税評価額を確認する方法としては、役所で固定資産課税台帳を閲覧するか、毎年4月~6月に市町村から送付されてくる固定資産税の課税明細書でも確認が可能です。
固定資産税の見直しは3年に1度おこなわれます。

不動産の相続税評価額の計算方法(家屋・建物)

不動産の相続税評価額の計算方法(家屋・建物)

不動産の家屋・建物についての相続税評価額の計算方法は、その家屋や建物が故人の住居なのか、賃貸されていたのかによっても異なります。
ここからは、家屋・建物の相続税評価額の計算方法についてご紹介します。

故人が利用していた不動産の計算方法

故人が居住用や事業用に利用していた家屋・建物の場合、相続税評価額の計算式は以下のとおりです。
固定資産税評価額×1.0
つまり、故人が利用していた家屋・建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じ金額になります。
家屋・建物の固定資産税評価額を知る方法としては、市区町村役場から送られてくる固定資産税の課税明細書を見る方法があります。
もし、課税明細書を紛失してしまった場合は、市区町村役場の資産税課でもらえる「名寄帳」でも、固定資産税評価額の確認が可能です。
もし、実際に名寄帳をもらう場合は、固定資産の評価証明書も一緒に入手しておきましょう。
相続登記をおこなうときに必要になるため、手間が省けます。

第三者に貸していた不動産の計算方法

故人が第三者に貸していた一戸建て住宅の場合は、賃貸割合が100%となるため、家屋の相続税評価額の計算式は以下のとおりになります。
固定資産税評価額×(1-借家権割合)
借家権とは、借り手側が家屋を借りて使用する権利を指し、借家権の割合は家屋の評価額の30%と定められています。
第三者に家屋を貸していた場合、借家権の分を家屋の評価額から差し引くことが可能です。
たとえば、固定資産評価額が1,000万円とすると、借家権の評価額は1,000万円×0.3=300万円となり、相続税評価額は1,000万円―300万円=700万円となります。

賃貸アパートの計算方法

故人が賃貸アパートを所有していた場合、賃貸アパートの建物部分の相続税評価額の計算式は以下のとおりです。
固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
賃貸割合とは、貸している部分の床面積の割合で、貸している床面積が広いほど評価額は下がります。
例として、賃貸アパート建物部分の固定資産税評価額が1億円で、部屋の床面積合計が200㎡、貸している部屋の床面積合計が100㎡の場合、賃貸割合は100㎡÷200㎡=50%です。
つまり、相続税評価額は1億円×(1-0.3×0.5)=8,500万円となります。

不動産の相続税評価額の計算方法(土地)

不動産の相続税評価額の計算方法(土地)

土地の相続税評価額の計算方法には「路線価方式」と「倍率方式」があります。
ここからは、それぞれの土地の計算方法についてご紹介します。

路線価方式の計算方法

路線価とは、その道路に面している土地1㎡あたりの評価額です。
路線価が設定されている地域の土地を評価する場合は、その路線価に基づいて評価する決まりとなっており、路線価に基づいて土地を評価することを「路線価方式」といいます。
国税庁のホームページに掲載されている「路線価図」を見れば、その土地が路線価地域であるか、倍率地域であるかがわかるようになっています。
路線価地域にある土地の相続税評価額の計算方法は、以下のとおりです。
路線価×各種補正率×土地面積
例として、路線価が20万円で、各種補正率が1.0、土地面積が300㎡の場合、その土地の相続税評価額は20万円×1.0×300㎡=6,000万円となります。
ただし、路線価地域であっても、行き止まり私道には路線価が設定されていません。
行き止まり私道のように、道路に面しているけれど路線価が設定されていない土地を評価する場合には、税務署に「特定路線価」を設定してもらうことが可能です。

倍率方式の計算方法

倍率方式とは、路線価が定められていない地域にある土地の評価方法です。
国税庁のホームページに記載されている路線価図に倍率地域と掲載されている場合、その地域は倍率方式で土地の相続税評価額の計算をおこないます。
倍率地域の土地の相続税評価額の計算方法は、以下のとおりです。
固定資産税評価額×倍率
倍率は、国税庁のホームページに記載されている「評価倍率表」で確認できます。
たとえば、固定資産税評価額が4,000万円の土地で、倍率が1.1の場合、相続税評価額を計算すると4,000万円×1.1=4,400万円です。

土地の相続税評価額の減額要素とは

土地の相続税評価額では、その土地の利用方法、契約、地型などにより、減額が認められるケースがあります。
その減額要素の一つが「貸家建付地」で、アパートや貸家の敷地に使われている土地を指します。
貸家建付地の場合、相続税評価額を約20%減額することが可能です。
また、借地権が設定されている土地を「貸宅地」といい、貸宅地の相続税評価額は以下の計算式で計算します。
土地全体の相続税評価額×(1-借地権割合)

まとめ

相続税評価額とは、相続税を計算するときの基準となる価格で、時価をもとに納税者が自ら計算します。
家屋・建物の相続税評価額の計算方法は、故人が利用していた場合は「固定資産税評価額×1.0」、第三者に貸していた場合は「固定資産税評価額×(1-借家権割合)」です。
土地の相続税評価額の計算方法には、路線価方式と倍率方式があり、路線価が設定されている地域は路線価方式、その他の地域は倍率方式で計算します。